2018年5月1日火曜日

コアスタッフ紹介 がっきー

こんにちは.「がっきー」こと石城陽太です.
初見では分からないと思いますが,「石城」は「いしがき」と読みます.
きみっしょんでは,記録係のチーフをやらせていただきます.

[自己紹介]
所属は,東京大学 理学系研究科 地球惑星科学専攻で,修士課程2年です.
宇宙科学研究所では,太陽系科学研究系の藤本研究室というところに所属しています.(宇宙プラズマグループホームページ: http://sprg.isas.jaxa.jp/researchTeam/spacePlasma/whatsSpacePlasma.html
研究室はプラズマグループなのですが,私は惑星系形成論について研究しています.
大学のサークルでは,合気道をやっていて,最近も少し続けています.昨年,二段をとりました.合気道というと,「“気”で相手を倒すんでしょ」みたいに言われることがありますが,そんなことしません.普通の武道ですね.
あと,折紙のサークルにも入っていたのですが,最近はあまり折紙は折っていません.

図1. 肉まんと石城

[研究紹介]
私の専門分野は,惑星系形成論です.
皆さんは,私達の住むこの太陽系が一体どのようにできたのか考えたことはありますか?
最近,太陽系の他にも惑星系が見つかってきていて,地球の他に生命がいる惑星があるかもしれないという話がされていますが,そもそも,惑星系とはどのようにできるものなのでしょうか?

実は,太陽系を含めた惑星系というものがどのようにしてできるのかということは,よく分かっていません
現在考えられている標準的な惑星系形成シナリオは,大雑把にいうと以下のようなものです.
1. 恒星のまわりに,ガスダストでできた原始惑星系円盤ができる.
2. 原始惑星系円盤の中でダストが集積して,微惑星という比較的小さな天体ができる.
3. 微惑星が衝突合体して成長し,原始惑星という天体ができる.
4. 原始惑星同士がさらに衝突して合体したり,原始惑星系円盤からガスを集めたりして惑星ができる.
太陽系にあるたくさんの小惑星は,微惑星の生き残りではないかという説もあります.
ただ,このシナリオの中にもいろいろと未解決な問題があり,まだ理論的に惑星系がどうやってできるのかをうまく説明することはできません
図2. 太陽系形成の標準シナリオの模式図
(引用 理科年表オフィシャルサイト/特集/惑星系形成論:最新”太陽系の作り方" http://www.rikanenpyo.jp/top/tokusyuu/toku2/)

私がやっているのは,微惑星から原始惑星が形成される段階のコンピュータシミュレーションです.
高校で物理を学んでいる方は分かるかと思いますが,重力を及ぼしあう2つの天体はケプラーの法則というのに従って運動しますよね.このように天体が2つだったら話は簡単なのですが,たくさんの微惑星の運動を考えなければならないときには,その運動の正確な解を求めることはできません.ですから,コンピュータに頑張って計算してもらうわけですが,微惑星の数が多いので,普通の計算ではとても時間がかかってしまいます.そこで,より高速なシミュレーションの手法を使って,プログラムを作ったりしてシミュレーションを行ってみるというのが私の研究です.

微惑星から原始惑星が形成される段階の物理における未解決な問題の1つに,「タイプ1移動」というものがあります(別のメカニズムの「タイプ2移動」というものも存在します).
このタイプ1移動というのは,簡単にいうと,「原始惑星が,周囲の原始惑星系円盤との重力相互作用によって,中心の恒星の方向に移動する」というものです.理論的には,原始惑星は,このタイプ1移動によって惑星に成長する前に中心の恒星に落ちていってしまいます.これでは,太陽系のような惑星系はできませんよね.
この問題は惑星系形成論の大きな問題の1つとして研究者を悩ませてきたのですが,最近では,今までのシミュレーションでは無視してきたようなとても小さな天体の影響も入れてシミュレーションを行えば,恒星とは逆方向への原始惑星の移動も起きるのではないか,ということが言われるようになってきています.そのような小さな天体の影響による惑星移動のメカニズムを使えば,タイプ1移動の問題がもしかしたら解決できるんじゃないか,ということで期待が高まっています.
しかし,当然そんな小さな天体も含めたシミュレーションは計算量がとても多くなるので,いかにシミュレーションを高速化するかというのも課題の1つです.
[意気込み]
きみっしょんや宇宙に興味を持っている高校生の皆さんは,惑星探査や天体観測に興味があるという方が多いのではないでしょうか.もちろん,そのような探査や観測の技術はとても大事なのですが,そのような技術を使ってどのようなミッションをし,どのようなことを調べたらいいのかということを考えるためには,今の理論で何が分かっていなくて,何が分かれば嬉しいのかということを知っておかなければなりません.例えば,探査から分かる天体の組成などの情報から,「その天体がどこから移動して来たのか」ということの手がかりがつかめれば,先程のような惑星の移動の理論も考えやすくなるでしょう.
理論の確立は,観測や探査のミッションの目的を支える重要なものです.きみっしょんなどで宇宙ミッションについて考えるときには,是非,理論に関することにも興味を深めてくれると嬉しいです.

惑星形成論の観点からもいろいろとアドバイスできればいいなと思っています.
当日を楽しみにしています!
よろしくお願いします!

がっきー

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